
ドンキの焼き芋、味が変わったのはいったい何故!?実は〇〇に理由があるんです!
2024.08.09
こんにちは。ヨッピーです。
みんな大好き驚安の殿堂ドン・キホーテ属するPPIHグループ(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)の「マジボイス実現委員会」に何故かオブザーバーとして参加する事になりました。
「マジボイス実現委員会」とは「マジボイス」に寄せられたお客様からのご意見に対して、マジの本気で対応し、商品改善を行っていく組織だそうです。
その一例。これ、仕込みでもヤラセでもなんでもなく、マジのやつらしいんですよ。
「こういうの作って欲しい!」「ここを改善して欲しい!」という要望をマジボイスに投稿すると、いつか実現するかもしれない!
本日はこの、マジボイス実現委員会でどういった事が話し合われ、どういった流れで商品が変わっていくのかをお届けしたいと思います!
前回はトイレットペーパーの改善についての会議でした
みんな大好き驚安の殿堂ドン・キホーテ属するPPIHグループ(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)の「マジボイス実現委員会」に何故かオブザーバーとして参加する事になりました。
「マジボイス実現委員会」とは「マジボイス」に寄せられたお客様からのご意見に対して、マジの本気で対応し、商品改善を行っていく組織だそうです。
その一例。これ、仕込みでもヤラセでもなんでもなく、マジのやつらしいんですよ。
「こういうの作って欲しい!」「ここを改善して欲しい!」という要望をマジボイスに投稿すると、いつか実現するかもしれない!
本日はこの、マジボイス実現委員会でどういった事が話し合われ、どういった流れで商品が変わっていくのかをお届けしたいと思います!
前回はトイレットペーパーの改善についての会議でした
- ド情熱焼き芋商品コード:2400066264015

ヨッピー
担当MD※山下さん(社内の愛称:芋に定評のある山下)
MD……マーチャンダイザー。商品の開発・企画・販売担当者。小売店における花形とも言える職種だが、問題のある商品や売れない商品を作ってしまうと「なんであんなものを作ったんだ」と全店舗から怒られまくるのでめちゃくちゃ責任が重い大変なお仕事。
スーパーマーケットなどが店頭で焼き芋の販売をするのを見て、2000年ごろに府中店で実験的に販売したところ好評だったため、六本木や新宿といった繁華街のお店にも導入したところ、「夜中でも焼き芋がばんばん売れる」という現象が起こったのでどんどん導入店舗を広げたそうです。
しかし農作物という事もあって芋の安定供給や商品の焼き加減などを安定させるのにめちゃくちゃ苦労するんだとか。でもその甲斐あって今ではドンキの看板商品に。
MD……マーチャンダイザー。商品の開発・企画・販売担当者。小売店における花形とも言える職種だが、問題のある商品や売れない商品を作ってしまうと「なんであんなものを作ったんだ」と全店舗から怒られまくるのでめちゃくちゃ責任が重い大変なお仕事。
スーパーマーケットなどが店頭で焼き芋の販売をするのを見て、2000年ごろに府中店で実験的に販売したところ好評だったため、六本木や新宿といった繁華街のお店にも導入したところ、「夜中でも焼き芋がばんばん売れる」という現象が起こったのでどんどん導入店舗を広げたそうです。
しかし農作物という事もあって芋の安定供給や商品の焼き加減などを安定させるのにめちゃくちゃ苦労するんだとか。でもその甲斐あって今ではドンキの看板商品に。


「マジボイス」のアンケートでも「いいよ!」率が90%近く、年間1230万本も売れる大ヒット商品だそうです。
このような商品でもやはりお客様からの厳しい声が出ることもあるという事ですが、果たして今回はどのような内容なのでしょうか。
このような商品でもやはりお客様からの厳しい声が出ることもあるという事ですが、果たして今回はどのような内容なのでしょうか。

けっこうな大人数で「マジボイス実行委員会」は運営されております。

岩崎さん
司会進行
いいね!率90%近い商品でお褒めの言葉を頂くことが多い商品ではありますが、やはり一部厳しい意見も頂戴しています。
要約すると「あたりはずれがある」ということになると思うのですが、MDの見解を教えてください。
要約すると「あたりはずれがある」ということになると思うのですが、MDの見解を教えてください。

山下さん
担当MD
「ドン・キホーテの焼き芋」というと、メディアでも「ねっとり甘い焼き芋」という取り上げられた方をするので、お客様もそういった「ねっとり」という食感のものを連想されると思うんですね。


なぜ「ねっとり甘い焼き芋」が実現出来るかというと、収穫してから熟成までの期間を設けることでああいった食感が生まれるようになるのですが、逆に言えば新芋の時期、熟成を経ずに店頭に並べた焼き芋については「ねっとり」ではなく「ほっこり」といった食感になります。こちらのほうが一般的な焼き芋に近いはずではあるのですが……。
そこで、「ねっとり」を想像しながら買い上げ頂いたお客様が、新芋が店頭に並んでいる期間の「ほっこり」した焼き芋を買ってしまう事によって、「思っていたのと違う」というギャップが生まれている事が考えられます。
同じくマジボイスのご意見で「芋の品種が変わった。前の品種のほうが美味しかった」とおっしゃる方も多いのですが、芋の品種を変えているのではなく、「同じ品種の芋だけれども、期間によって食感が変わる」というのが実際のところなんです。
そこで、「ねっとり」を想像しながら買い上げ頂いたお客様が、新芋が店頭に並んでいる期間の「ほっこり」した焼き芋を買ってしまう事によって、「思っていたのと違う」というギャップが生まれている事が考えられます。
同じくマジボイスのご意見で「芋の品種が変わった。前の品種のほうが美味しかった」とおっしゃる方も多いのですが、芋の品種を変えているのではなく、「同じ品種の芋だけれども、期間によって食感が変わる」というのが実際のところなんです。


岩崎さん
司会進行
芋の品種は同一なんですか?

山下さん
担当MD
基本的には「紅はるか」と「シルクスイート」を使うのですが、去年から今年にかけてはずっと「紅はるか」です。

岩崎さん
司会進行
新芋を出さずに熟成させた芋だけを使う、というのは難しいのでしょうか?

山下さん
担当MD
うーん、出来るだけ熟成させた芋だけを使う、という事で引っ張っていたりはするんですけども、メディアに取り上げられたりで爆発的に売れるなどして、ストックしてある熟成した芋が足りないというような事態になった場合は難しいですね。かといってストックの芋の在庫を増やすと売れなかった場合に在庫リスクになります。1年以上寝かすわけにはいかないので。

岩崎さん
司会進行
一般的には「新じゃが」とか「新たまねぎ」ってお客様に喜ばれるものじゃないですか。新芋だとそんなに味が落ちるんですか?

山下さん
担当MD
いえ、甘味自体は確かに熟成させた方が甘くなるのですが、味が落ちるという事ではなく、お客様によっては熟成させた「ねっとり」ではなく新芋の「ほくほく」の方の焼き芋をお好みになる方もおられると思います。なので味そのものの問題というより、やはりお客様がお買い求めになる事前のイメージと、実際の商品とのギャップに問題があるんじゃないかと。

岩崎さん
司会進行
でしたら、店頭POPなどでそういった周知をしていくとか。

山下さん
担当MD
そうですね。いかにお客様にお伝えするか、というのを考えるのが良い方法なのかな、と思います。


岩崎さん
司会進行
ちなみに包み紙のロット※はどれくらいですか?ロット……発注単位。

山下さん
担当MD
印刷は30万枚~です。

岩崎さん
司会進行
30万枚程度なら、新芋の時期だけ包装紙の文言を変えて周知するのもひとつの手段ですね。

山下さん
担当MD
そうですね。他にも「中身を見えるようにして欲しい」というご意見もありますので、例えば一部を透明なビニールにする、といった施策も考えているんですが、温かい、水分のある商品ですので一部をビニールにすると湯気で曇ってしまうんじゃないかという危惧もありますので、じゃあ細かい穴を開けようか、など検討に入っているところです。

岩崎さん
司会進行
「1年を通して一部の期間だけ味が違う」というのは決してネガティブなものではないと思うんですよ。味の違いを楽しんだりっていう新しい楽しみ方も出来るので。

山下さん
担当MD
そうですね。やはりそういった部分をどうお客様に周知していくか、というのが課題だと思います。


ヨッピー
「時期によって食感が違う」といういきさつを全然知らなかったので、ドン・キホーテに行った時に「今の時期は新芋だから普段の焼き芋とは違うんだぜ!」みたいなウンチクを披露したら人気者になれるかな、などと思いました。おもしろーい!

岩崎さん
司会進行
一方で、「他のお客が触った商品を買いたくない」というご意見もありました。

山下さん
担当MD
紙袋で外から中が見えないようになっているので、重さなどを確かめて「なるべく大きいものを買いたい」というお客様がいらっしゃるのではないかと思います。
「一度手にとったものはお買い上げください」といったPOPを貼るなど対策もしているのですが……。
「一度手にとったものはお買い上げください」といったPOPを貼るなど対策もしているのですが……。

他の参加者
うーん、例えばスーパーで売られている青果や果物なんかはお客様が触って選んだりしますよね。それに焼き芋の場合は紙袋に包まれているわけですから、そこまでやるべきなのか、っていうのは正直思いますね。

岩崎さん
司会進行
「小さいものだとがっかりする」というご意見もありますね。例えば大きさにそこまで差が出ないように揃えるとか……。

山下さん
担当MD
現在は芋の大きさを±100gの幅を持たせて選定しているんですが、それ以上細かく選定すると機械に通らなくなったりでコストがかなりかかります。農産物なのでやはりバラつきが出てしまうのはある程度仕方のないところもあるかと。

岩崎さん
司会進行
わかりました。ではいったん、その新芋が出て味が変わるタイミングをお客様にどう周知していくか、包装デザインの変更や売り場のPOPなど周知の方法について今後ご検討頂きたいと思います。

ヨッピー
あの、ちょっとお伺いしたいんですけど、皆さんは今こうやってポンポン「包装をわかりやすいものに変えよう」みたいなお話をしてますが、パッケージを変更するのって実は簡単に出来る……?

山下さん
担当MD
いえ、全然簡単じゃないです(笑)例えば、焼き芋は年間1200万本売れるんですが、包装を変える事で包装紙が1枚あたり1円値上がりすると仮定すると、1円×1,200万で年間1,200万円のコスト増ですからね。なのでものすごくシビアにならざるを得ないので大変です。

ヨッピー
なるほど、確かに……!

他の参加者
新芋の期間をむしろポジティブなものと捉え、お客様が新芋の時期を楽しみにするような周知の仕方が大事。

他の参加者
せっかく「焼き芋マイスター制度※」があるのだから、店舗担当者にも店頭POPなど周知の方法を伝えるようにするべき。※ドン・キホーテでは社内研修をクリアした「焼き芋マイスター」が各店舗にいます。

山下さん
担当MD
マジボイス実現委員会に取り上げられることはだいたい二か月くらい前に連絡が来るんですが、だいたいいつも「痛いところ突かれたな~」って思ってます。
マジボイスに寄せられるご意見は随時チェックしてますので、今回の「焼き芋の食感が変わる」という事態は元から把握していたので、「どう対応しようか」という部分には悩んでましたから。
そこで自分なりの回答をもってこのマジボイス実現委員会に挑むのですが、その準備が大変とはいえ、お客様のリアルなご要望がストレートに届く仕組みはありがたいです!
マジボイスに寄せられるご意見は随時チェックしてますので、今回の「焼き芋の食感が変わる」という事態は元から把握していたので、「どう対応しようか」という部分には悩んでましたから。
そこで自分なりの回答をもってこのマジボイス実現委員会に挑むのですが、その準備が大変とはいえ、お客様のリアルなご要望がストレートに届く仕組みはありがたいです!

ヨッピー
正直「時期によって食感が違う」というのをまったく知らなかったのですが、売れまくってる商品でもどこか不満に思うお客さんがいる、っていうのが可視化されるのは面白い。あと、僕は見積りとか死ぬほど適当に出してしまうタイプなので、「僕には絶対MDの仕事は出来ないな」と思いました。
- 01焼き芋にも時期があり、ほくほくの場合もねっとりの場合もある。
- 02時期によって変わる食感を楽しんでもらいたい。
- 03包み紙でほくほく or ねっとりを告知してお客様のがっかり感を減らす事が大事!


ヨッピー
大阪府生まれ。「オモコロ」「トゥギャッチ」「ぐるなび」「Yahoo! Japan」「ライブドアニュース」など、さまざまなWEBメディアで活躍中のライター。「WEBでウケること」の第一人者として、タイアップ広告案件なども多数手がける。
実現会議に潜入してきました!